Sonny Rollins : Saxophone Colossus
ARTIST / Sonny Rollins
TITLE / Saxophone Colossus
LABEL / prestige
DATE / 1956
TITLE / Saxophone Colossus
LABEL / prestige
DATE / 1956
2277。ジャズ名盤探訪シリーズ。あまりにも有名であるSonny Rollinsの青いやつ。カリプソに由来する、穏やかな風が香るM1'St. Thomas'があまりにも有名で、もはやぬるま湯とさえ感じるほどだろうよ。メンバーはSonny Rollins(テナーサックス)、Tommy Flanagan(ピアノ)、Doug Watkins(ベース)、Max Roach(ドラム)となかなか豪勢というか、名盤たらしめるメンバーがそろっているようだ。Rollinsの吹くテナサは、あまりにもほがらかで太く、明瞭で、暖かく、スウィングしている。本作が、モダンジャズの最高峰とされ、日本でも徹底的な人気を獲得し、垂れ流され、脳みそを侵犯し、刷り込まれ、われわれは、穏やかでおとなしい精神性を養ってきたのである。きっとそうだ。小難しいことはわきにおいて、考えることを忘れて、とにかくそのうきうきするようなビバップを踊るのである。それでいいじゃないか。若干26歳という当時のSonny Rollinsは、時代が追いつけないプレイヤーだったのだろうし、素晴らしくメロディアスなアドリブが、その謎の源泉を持つ感性を証している。楽しい音楽ジャンルとしてジャズへとアプローチするのではないと、どうしても、僕のように薀蓄ののせやすい巨人たちから入っていってしまうのであるが、それはもちろん失敗である。このように吹き振りがとにかく雰囲気があり、ジャズを快楽としてプレイしている名盤の紹介が遅くなってしまって、どうするのかとやきもきする向きだってあるだろう。但し、別に付言するようなことがない典型的な1枚として、本作は確固たる地位を得ているわけであるし、僕のような人間にはまぶしすぎるのであった。その結果Sonny RollinsとSonny Clarkの区別が、今でもつかなくなってしまっている病に冒されているに至るのである。引いてる楽器ですら違うというのにね。馬鹿だね。