Carl Craig : More Songs About Food And Revolutionary Art
ARTIST /Carl Craig
TITLE / More Songs About Food And Revolutionary Art
LABEL / planet e
DATE / 1997 / 2014
TITLE / More Songs About Food And Revolutionary Art
LABEL / planet e
DATE / 1997 / 2014
2276。なんだかよくわからないタイミングで、リマスターでリイシューされました。俗に言う90年代テクノの名作です。2nd。タイトルが秀逸ですね。挑戦的です。相当良いものが出来ないと、こんなイカしたタイトルはつけられない。そして個人的には初めて言及する、というか、今まで1枚も盤を買っていなかったという驚きもありつつな、Carl Craigさんです。いわゆるデトロイト・テクノ第二世代としてDerrick MayやJuan Atkinsらを追いかけながら、自らのレーベルplanet eを中心に、割と名前を売った作家ですね。なんとなく個人的ななじみがある理由としては2008年にMoritz von Oswaldとの共作"ReComposed"をリリースしたときに、発売レーベルがクラシックの名門deutsche grammophonであるという理由で、クラシック好きの父親をなんとか誘導してそれを入手しようと画策した記憶があるからですね。どうでも良いけど。そんなハイカルチャなアプローチも見せる地的な作家さんです。本作では、わりとフロアではチル気味になる感じの穏やかな曲が中心で、ホームリスニング向きだとは良くいわれています。優しい気持ちになります。M14では自らを見出してくれたDerrick Mayをプロデューサーに迎えて共作していたりと、第一世代と第二世代をしっかりとつなぐ位置づけも果す1枚なのでしょう。もちろんplanet eはMoodymannを世に送り出すなど、その後のデトテク産業をさらに引き継いでいるのだから、Carl Craigさんは大事な存在なわけです。インテリだし。通して聴いても、とても静謐で、それでいて安直に泣きメロへと堕するなんてこともせず、あくまで淡々と、一流のリリシズムを見せているのが、本当にかっこよいと思うし、リリースされてから日がたっていても、なんら飽きやダサさを寸分も感じさせることがないという、さすがのヒロイックさです。再発にあたり、16曲目に40秒に満たないボートラが付け加えられていますが、これ結構やらしいですね。曲ともいえないものですから、コレ目当てで買う必要はないでしょう。1枚の達成感を残すためにM15'Art And Food(In The Spirit Of Revolution)'で終わったままにするほうがかっこよかったと思うんだけどなあ。一応、テクノ名盤となる条件としての、こすられ続けるクラシックも配置されていますから、勉強にもなると思います。多分M6'Dreamland'、M9'Dominas'、M10'At Les'、M12'As Time Goes By(Sitting Under A Tree)'あたりが良く言及されます。丁寧に、真摯に、実直に、音楽をつくるとこうなります。いいですね。