Sonic Youth Med Mats Gustafsson Og Merzbow : Andre Sider Af Sonic Youth
ARTIST / Sonic Youth Med Mats Gustafsson Og Merzbow
TITLE / Andre Sider Af Sonic Youth
LABEL / sonic youth
DATE / 2008
TITLE / Andre Sider Af Sonic Youth
LABEL / sonic youth
DATE / 2008
[50-71]。並びをみるだけで、どういう類の盤かが想像できるわけで、それぞれが好きな人たちは買えばよいだろうけど、それ以外の人たちは、買っても何もよい事はないんだろうという1枚です。全1曲。60分弱の内容です。音源は、2005年7月1日に開催されたデンマークの野外フェスRoskilde Festivalで録音されたもの。この頃のSonic YouthにはO'Rourkeがメンバーとして在籍していて、人脈的にはそのラインであることが良く分かります。さて。導入部分から、抽象的でばたばたとした演奏。このばたばたってのは、決してマイナスの意味ではありません。多分Steve Shelleyのドラムがそのような印象を演出しているのだと思う。おや、Merzbowさんは、ちょっと控えめだなにゃーとしばらく待ってみる。動物をこよなく愛するMerzbowさん。僕も大学時代に数回ライブを見たことがあります。鼓膜がぶっ飛び、その日一日は残響し続けるという強烈なパフォーマンスですが、それがすごく心地よくて麻薬的だったことを覚えています。どでかいスピーカーにもたれかかって、これ絶対耳に悪いなぁと、マックを口に運ぶときのような罪悪感でもって脳みそに音を流し込むわけです。さて、話しがそれましたが、8分を超えたあたりで、Sonic Youthのギターたちが第一波を形成し、そして静かに落ちていきます。いつも、盤ごとにひとつの言語を選択するのがSRシリーズの特徴ですが、本作はデンマークです。で、タイトルの意味は、ある程度推測できるでしょうが、Other Side Of Sonic Youth。メジャーでやってるだけが俺たちじゃない、ということの主張ですね。特にそんな必要はないのですが、この頃からSonic Youthを聴き始めた人たちには、キチンとその側面を強調しておきたかったのかもしれません。アート・スクール出身の人たちが、いつまでも生ぬるい音楽をやってられないということでしょうか。さて。徐々に混ぜ込まれていくMerzbowのラップトップ・ノイズとMats Gustafssonのサックス・ノイズ。神経質でありつつ、マッスな存在感でもって聴衆の耳はがばがばに鳴っていきます。気持ちーなーこれは。とても落ち着きます。嫌なことも、幸せなことも、何もかも全部脳みそから書き出されて、その場所での大気の震えだけが「ザイン」する状況です。で、中盤以降は決してリスナーを現実世界へと引き戻すことなく、音場の中に閉じ込めてくれます。現実逃避にはもってこいです。