Doormouse : Broken
ARTIST / Doormouse
TITLE / Broken
LABEL / planet mu
DATE / 2002
TITLE / Broken
LABEL / planet mu
DATE / 2002
[51-71]。そうそうこんな感じ。00年代のプラミューってのは、ドリルン・ベースなるスタイルでもって聴衆をアジテートしてたものです。高速で。そうとにかく心拍数を圧倒的に追い越すやり方で。迫りくる状況をさらに早送りすることで。暴力的って言葉がとても似合うし、ヘッドバンキングするにも、早すぎてつかめないっていう。それはMike ParadinasからRichard D.Jammesへと広がった(確か)手法であり、その根元であるplanet muに所属する作家たちがそのフォロワーでないなんてことはありえないわけである。そう、00年代初めは、プラミューってのはまだまだフォロワーの集まりだった。DoormouseことDan Martinは、addict recordsなるレーベルを運営するサンプリング使いで、細やかにカッティングされた音源をとにかくハードコアの流儀にしたがって、とにかく早く早くくっつけて、聴衆を逃げられない形にもって行きます。凶悪です。らしい悪さです。本作は、彼がplanet muに残した唯一の盤なんですが、うそ臭いほどに特異なサンプルを分裂症的に使用し、でも結局は暴力的に解決していきます。むー。正直いって、電子ハードコアってのはあまり好みでもないし、最初は面白がれるんですが、やっぱり徐々に飽きてくるんですね。複雑であるとはいえ、ビートが刻まれるわけで、どうしても身体的に規定されてしまうし、音へと集中されることはない。だから、荒々しく、粗雑といってもよいような音場が構築されるわけです。休息というよりも、スポーツに属するタイプのリスニング経験ですね。サンプリングの使い方に興味がある人がかるーく聴いてみる分には面白いかもしれません。推奨するような1枚ではありません。