Talk Talk : Spirit Of Eden
ARTIST / Talk Talk
TITLE / Spirit Of Eden
LABEL /emi
DATE / 1988
TITLE / Spirit Of Eden
LABEL /emi
DATE / 1988
1815。4th。80年代に、すでにもろもろが達成されていたということで著名な名盤。というか、それ以後に現れた革新的なバンドたちが生み出したとされる音たちに似た音像を、とっくに獲得していたバンドの名盤。「音響」的、と言い換えるのがよいのか。Talk Talkを聴いた後では90年代、いや00年代さえもすでにやられすぎていたといえるかもしれない。Mark Hollis(ボーカル、鍵盤系、ギター)、Paul Webb(ベース)、Lee Harris(ドラム)、Tim Friese-Greene(ハーモニウム、鍵盤系、ギター)。作曲はMarkとTim、プロデはTimという自家発電ぶり。基本布陣に、ヴァイオリンやらオーボエやらの生楽器隊をぶち込んで、ただの完成度の高い音楽を展開している。正直本作を聴いただけで、Talk Talkという当時にしてはおそらくかなり異端なバンドの形は見えてこないと思う。81年にイギリスで結成され1991年に5thをリリース。それでとりあえず終わり。結成してしばらくは、当時人気のあったDuran Duranに言及される形ではやりのエレポップをやっていて商業的にも成功していたらしいけれど、次第に本作のような音響世界を獲得し、広がりのあるスピリチュアルな行方を彷徨い始めたらしい。本作とラスト盤となる5th"Laughing Stock "は、いわゆる「ポストロック」と振り返って名指されるような、そんな先進性でもって回顧されているわけです。ちなみに、決して遠くない理由もあって、Simon Reynoldsが雑誌Mojoで1994年にBark Psychosisの"Hex"をレビューしたときに「ポストロック」なる言葉が捏造されたわけですけれども、そのときReynoldsはこう表現しているのです。Bark Psychosisは、まさに本作"Spirit of Eden"の持つ「バロック様式の壮大さ」に憧れている、と。良い悪いは別にして、多少は僕個人の音楽史観の修正が要請されてしまうのは、不勉強ゆえだったわけですね。傾向としてはTortoiseのようなリズムの回収と打楽器の音響化というよりも、アンビエントな広がりの回収を実践したSigar Rosなどと近いのだろうか。全6曲で41分。日本盤のライナーには高橋幸宏がコメントを寄せているらしい。なるほど、色々とつながっていくように感じるし、知ってる人は当時からちゃんと知っているんだなあ。ちなみに去年2011年10月になぜか5thがアナログ盤でリイシューされたという。結成から30周年、解散から20周年ってことなのかな。いまさら僕が言ってもしょうがないけど、もう少し日本でも評価されると良いね。
