Squarepusher : Just A Souvenir
ARTIST / Squarepusher
TITLE / Just A Souvenir
LABEL / warp
DATE / 2008
TITLE / Just A Souvenir
LABEL / warp
DATE / 2008
1666。以前紹介した盤"Hello Everything"。11枚目のフル。そう考えると、結構リリースがある作家である。いわいる原点回帰。と、M1を聴いて思った。非常に簡素でシンプル。しかし妙な人的プレイ感がある。演奏している、という感覚。自動性からの離脱を思わせるような頼りなさ。人間による頼りなさ。ごてごてとした響きからおさらばしている。その響きがある種彼のテクノ性を主張していたわけだが、本作ではあまりそれが感じられない。本作を作るさいに、一人の天才が得た着想によって、この述べ立ては決して的外れではないことがわかる。本作は、「美しいロック・バンドが行った超絶的なギグを鑑賞する、という白日夢として出発した」。Squarepusherはもはやジャンルというフィールドをわずらわしく感じているのは明白だ。彼はそもそも、ジャズ・ベーシストでもある。しかし本作の着想が、「ジャズ・バンド」ではなく「ロック・バンド」によってもたらされたというのは注目しておく必要があるだろう。ストイックさから離れた、妙なオチャラケに満ちた本作は、人によって魂の距離を試される。しかし、ある程度の寛容さをもって音楽は聴かれるべきだから、自分の趣向に合わないという理由で、それまで信じていたものを否定してはいけない。リスナーは試されている。この小品によって、何を見出すか。土産以上のないかを見出すことができるのか。安心してほしい。本作には、無数の小粋さが厄介にちりばめられている。その小粋さに耳を傾けよう。そして、俺たちは、またSquarepusherが、何かをしでかすのを待つしかないのだ。